2015年

6月

19日

抗コリン薬を考える

2ヶ月に1回ブログ記事の更新を目標にしてきたが、少し間があいてしまった。4ヶ月ぶりのデータの追加で、今回も高齢者の認知機能に影響を及ぼす抗コリン薬の話題。

 

2月に紹介した論文では、どのような薬を抗コリン薬として調査したかは興味あるところだが、それについては詳細を述べなかった。今回は、論文から情報が得られた論文1,3の抗コリン薬を比較するとともに、我が国で販売されている対応薬剤をリストしてみた。

 

論文1(Ancelin et al. 2006)では被験者の抗コリン薬暴露への評価際して、血清抗コリン活性、投与経路、脳血液関門通過性などの文献情報に基づいて、抗コリン薬をほとんど影響のない薬(1)、僅かに影響する薬(2)、強く影響する薬(3)の3種に分類した。論文中に薬物名が挙げられているのはほとんど(3)の薬で表に我が国で販売の15成分を示した。

論文3(Gray et al. 2015)では、強い抗コリン活性を有する薬物をリストして、その1日量から被験者の抗コリン薬暴露を積算日数で評価している。こちらも我が国で販売の40成分を表に示した。

その後の調査により、抗コリン作用薬としての下表リストは修正が必要と判断しました。修正後の表を参照ください(2015年8月の記事参照)

 

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